地域福祉の理論化

 地域福祉論とは地域福祉について考察し、その概念を模索し、その体系化を図る事をもって、地域福祉の真のあるべき姿を探求し、もって、人間の幸福追求への道が何処にあるかを見極め、結果、一人一人の人間の尊厳を確保することに資するものであり、こうして構築された地域福祉の理論は、社会福祉が、地域的な展開を志向するなかで、日本独自に発達しつつある学問である。

地域福祉理論が学問として、理論化が進められ日本独自の発達途上にある理由は以下であると考えられる。一言で言えば、人間の幸福追求への道、個々の人間の尊厳の確保という真理が、地域福祉のあるべき姿の解明・探求によって得ることができる、とする多くの研究者の確信にあるといえる。日本独自というのは、社会福祉と地域福祉は分けて考える、というのが、我が国固有の考え方であったからである。即ち、戦後、社会福祉という概念は欧米の影響により確立したが、当初、地域福祉という概念は「隣保事業」「地域組織化活動」などを漠然と表現するものでしかなかったのである。地域福祉は社会福祉とは別の慈善事業であった。よって、昭和20年代から45年前後までの社会福祉事業法には、地域福祉の視点が欠如していたが、それは、当然ともいえた。しかし、昭和63年前後までの間に、地域福祉が、理念的段階であるが、社会福祉の対象の範囲内に入ったといえる。コミュニティ・ケアの考え方が導入され、

在宅福祉の理念が登場したからである。社会福祉の分野において、地域社会を基盤とした生活支援システムは整備の途上にあり、地域福祉として実態化する途上にあった。平成2年、社会福祉事業法に在宅福祉が明記された。即ち、地域福祉が、実態化

しつつある段階といえる。そして平成12年社会福祉法に地域福祉が明記されたのである。このように社会福祉の発展と地域福祉の実態化に呼応するかのように、地域福祉の考え方が発展してきたのである。即ち、その理論化(学問的研究)が進められてきたのである。流れとしては、1970年(昭和45年)代は地域福祉が社会福祉研究の焦点となり始め、諸研究者が理論化を目指した時期であった。1980年(昭和55年)代、代表的な研究者の見解がほぼ出そろい地域福祉の考え方や、その構成要件の類型化、比較検討する時期であった。後半は、地域福祉の理論が、実質性を持ち始めた。1990年(昭和65年)代、ゴールドプランの施行、福祉関係八法の改正などの福祉改革の具体化、政策化される時期にはいったのである。

地域福祉に関する理論で、主要なものには以下のような類型があるといわれている。①①コミュニティ重視志向の地域福祉論。これは岡村重夫、阿部志郎に代表される理論であり、福祉コミュニティ形成の下、地域福祉に存在する生活問題を解決する、もしくは予防するとする考えかたである。②政策制度志向の地域福祉論。これは右田紀久恵、真田是に代表される理論であり、公的責任を重視する考え方。また、問題解決に際しては、「住民主体の原則」を重視している。③在宅福祉志向の地域福祉論。これは永田幹夫、三浦文夫に代表される理論で、在宅福祉サービスを中心にすえた上で住民組織化や、環境整備を行い、地域のニーズに基づいた、資源の供給サービスシステムの構築を目指す。これは、生活者である住民の目線から自治体を含む様々な専門職団体や住民団体と共に多様な生活支援サービスや市民活動を横につないでいく取り組みであるといえる。④住民の主体形成と参加志向の地域福祉論とは。これは大橋謙策、渡辺洋一に代表される理論で、福祉教育を重視している点が特徴的である。この理論では、問題を抱えた当事者の主体形成が重視され、自立の促進と、そのための環境整備が重要であるとする。

地域福祉とは上記①~④の理論的要件の統合として構成されたものが、地域福祉と考えてよい。即ち、地域福祉とは住民を基本とする地域社会をベースにしたサービスとケアのシステムである(④)。地域住民はサービスの受けてであるとともにサービスを創設する担い手でもある(①)国から、地方への中央集権的上意下達的な縦割り型の法令や、補助金に拘束された官僚的福祉行政ではなく(②)、生活者である住民の目線から自治体を含む様々な専門職団体や住民団体と共に多様な生活支援サービスや市民活動を横につないでいく取り組みである(③)。 といえる。

 

問い

1.地域福祉理論とは何か。WHAT1

2.なぜ地域福祉理論が学問として、理論化がすすめられ、発達途上にあるのか。WHAT2

3.地域福祉に関する理論で、主要なものにはどのようなものか。HOW1 

 (1)コミュニティ重視志向の地域福祉論。

 (2)政策制度志向の地域福祉論。

 (3)在宅福祉志向の地域福祉論。

 (4)住民の主体形成と参加志向の地域福祉論。

4.地域福祉とは何か。WHAT2

 

答え

1.地域福祉理論とは何か。WHAT1

地域福祉について考察し、その概念を模索し、その体系化を図る事をもって、地域福祉の真のあるべき姿を探求し、もって、人間の幸福追求への道が何処にあるかを見極め、結果、一人一人の人間の尊厳を確保することに資するものであり、こうして構築された地域福祉の理論は、社会福祉が、地域的な展開を志向するなかで、日本独自の発達をしつつある学問である。

 

2.なぜ地域福祉理論が学問として、理論化が進められ日本独自の発達途上にあるのか。WHY1

一言で言えば、その理由は、人間の幸福追求への道、個々の人間の尊厳の確保という真理が、地域福祉のあるべき姿の解明・探求によって得ることができる、とする多くの研究者の確信にあるといえる。

日本独自というのは、社会福祉と地域福祉は分けて考える、というのが、我が国固有の考え方であったからである。即ち、戦後、社会福祉という概念は欧米の影響により確立したが、当初、地域福祉という概念は「隣保事業」「地域組織化活動」などを漠然と表現するものでしかなかったのである。地域福祉は社会福祉とは別の慈善事業であった。よって、昭和20年代から45年前後までの社会福祉事業法には、地域福祉の視点が欠如していたが、それは、当然ともいえた。

しかし、昭和63年前後までの間に、地域福祉が、理念的段階であるが、社会福祉の対象の範囲内に入ったといえる。コミュニティ・ケアの考え方が導入され、在宅福祉の理念が登場したからである。社会福祉の分野において、地域社会を基盤とした生活支援システムは整備の途上にあり、地域福祉として実態化する途上にあった。平成2年、社会福祉事業法に在宅福祉が明記された。即ち、地域福祉が、実態化しつつある段階といえる。そして平成12年社会福祉法に地域福祉が明記されたのである。

このように社会福祉の発展と地域福祉の実態化に呼応するかのように地域福祉の考え方が発展してきたのである。即ち、その理論化(学問的研究)が進められてきたのである。流れとしては、1970年(昭和45年)代は地域福祉が社会福祉研究の焦点となり始め、諸研究者が理論化を目指した時期であった。1980年(昭和55年)代、代表的な研究者の見解がほぼ出そろい地域福祉の考え方や、その構成要件の類型化、比較検討する時期であった。後半は、地域福祉の理論が、実質性を持ち始めた。1990年(昭和65年)代、ゴールドプランの施行、福祉関係八法の改正などの福祉改革の具体化、政策化される時期にはいったのである。

 

3.地域福祉に関する理論で、主要なものにはどのようなものか。HOW1

(1)コミュニティ重視志向の地域福祉論。

 岡村重夫、阿部志郎に代表される理論であり、福祉コミュニティ形成の下、地域福祉に存在する生活問題を解決する、もしくは予防するとする考えかた。

(2)政策制度志向の地域福祉論。

 右田紀久恵、真田是に代表される理論であり、公的責任を重視する考え方。また、問題解決に際しては、「住民主体の原則」を重視している。

(3)在宅福祉志向の地域福祉論。

 永田幹夫、三浦文夫に代表される理論で、在宅福祉サービスを中心にすえた上で住民組織化や、環境整備を行い、地域のニーズに基づいた、資源の供給サービスシステムの構築を目指す。

(4)住民の主体形成と参加志向の地域福祉論。

 大橋謙策、渡辺洋一に代表される理論で、福祉教育を重視している点が特徴的である。この理論では、問題を抱えた当事者の主体形成が重視され、自立の促進と、そのための環境整備が重要であるとする。

 

4.地域福祉とは何か? WHAT2

 前述3の理論的要件の統合として構成されたものが、地域福祉と考えてよい。即ち、地域福祉とは住民を基本とする地域社会をベースにしたサービスとケアのシステムである(4)。地域住民はサービスの受けてであるとともにサービスを創設する担い手でもある(1)国から、地方への中央集権的上意下達的な縦割り型の法令や、補助金に拘束された官僚的福祉行政ではなく(2)、生活者である住民の目線から自治体を含む様々な専門職団体や住民団体と共に多様な生活支援サービスや市民活動を横につないでいく取り組みである(3)、 といえる。