社会福祉基礎構造改革
社会福祉基礎構造改革は,社会福祉サービスの普遍化,一般化の流れの中で,戦後構築されてきた措置制度を改革するということが柱である。
社会福祉基礎構造改革は,7つの方向性が示されている。(1)サービス利用者と提供者の対等な関係の確立,(2)利用者の多様な需要への地域での総合的な支援,(3)利用者の幅広い需要に応える多様な主体の参入促進,(4)信頼と納得が得られる質と効率性の向上,(5)情報公開などによる事業運営の透明性の確保,(6)公平かつ公正な負担,(7)住民の積極的かつ主体的な参加による地域に根ざした個性ある福祉文化の創造である。
この議論は,当時の中央社会福祉審議会・社会福祉構造改革専門分科会で行われていた。1998年6月に「中間まとめ」が出された。加えて12月に「追加意見」が出された。しかし,最終報告は出されていない。
社会福祉基礎構造改革の大きな柱は,「措置から契約へ」というフレーズで説明される。利用者がサービスを自ら選び,事業者と契約を結ぶという手続きによることで,利用者と提供者の対等な関係を確立させるということが可能になるといえる。また,利用者が提供者を選択するためには,サービス量を確保することが必要であるといえる。さらに,安心してサービスを選択できるようにするため,サービスの質の担保が必要であるといえる。また,利用者主体の福祉を地域において実現させるため,総合的支援,福祉文化の創造が示されている。
サービス利用に対して公平かつ公正な負担については,応能負担という形で実現している。
社会福祉基礎構造改革によって,社会福祉事業法の改正が行われた。これにより,改革が具体的な形となった。利用者が契約によってサービスを利用するため,利用者保護の制度が必要となってきた。サービス利用に係る契約締結の支援をするのが「福祉サービス利用援助事業(地域福祉権利擁護事業)」である。また,利用しているサービスについて苦情を申し立てる「苦情申立」の制度がある。
問い
社会福祉基礎構造改革は,なぜ必要であったか。WHY1
社会福祉基礎構造改革の方向性を示した中央社会福祉審議会・社会福祉構造改革専門分科会の中間まとめはいつ出されたか。WHEN1
社会福祉基礎構造改革では,サービス利用者と提供者についてどのような関係を築くことを示したか。WHAT1
社会福祉基礎構造改革利用者の需要を充足するために,どのような方策を示したか。WHAT2
社会福祉基礎構造改革で示された「情報公開」は何のために行われるべきとされたか。WHAT3
社会福祉基礎構造改革で示された「公平かつ公正な負担」とは,具体的にどのような負担の方法であるか。HOW1
社会福祉基礎構造改革において,住民の積極的かつ主体的な参加を導くために何を創造する必要があるとされたか。WHAT4
社会福祉基礎構造改革の結果として,どのような法改正があったか。WHAT5
利用者がサービスを契約することを援助するために作られた制度は何か。WHAT6
利用者が使っているサービスに不満がある場合,利用するサービスは何か。WHAT7
答え
1.社会福祉基礎構造改革は,なぜ必要であったか。WHY1
社会福祉基礎構造改革は,社会福祉制度の普遍化,一般化を背景として,戦後,措置制度を柱として構築されてきた社会福祉制度を,改革しようとしたものである。
2.社会福祉基礎構造改革の方向性を示した中央社会福祉審議会・社会福祉構造改革専門分科会の中間まとめはいつ出されたか。WHEN1
社会福祉基礎構造改革の方向性を示した中央社会福祉審議会・社会福祉構造改革専門分科会の中間まとめは,1998年6月に出された。
3.社会福祉基礎構造改革では,サービス利用者と提供者についてどのような関係を築くことを示したか。WHAT1
社会福祉基礎構造改革では,サービス利用者と提供者について,「対等な関係」を築くことを示した。
4.社会福祉基礎構造改革利用者の需要を充足するために,どのような方策を示したか。WHAT2
社会福祉基礎構造改革において,利用者の需要を充足するために,「多様な主体の参入促進」を示した。
5.社会福祉基礎構造改革で示された「情報公開」は何のために行われるべきとされたか。WHAT3
社会福祉基礎構造改革で示された「情報公開」は,事業運営の透明性を確保することを目指して示された。
6.社会福祉基礎構造改革で示された「公平かつ公正な負担」とは,具体的にどのような負担の方法であるか。HOW1
社会福祉基礎構造改革で示された「公平かつ公正な負担」は,応益負担というかたちで実現した。
7.社会福祉基礎構造改革において,住民の積極的かつ主体的な参加を導くために何を創造する必要があるとされたか。WHAT4
社会福祉基礎構造改革において,住民の積極的かつ主体的な参加を導くために「福祉文化」を創造する必要があるとされた。
8.社会福祉基礎構造改革の結果として,どのような法改正があったか。WHAT5
社会福祉基礎構造改革によって行われた法改正で中心的なものとして社会福祉事業法が社会福祉法へ改正されたことが挙げられる。
9.利用者がサービスを契約することを援助するために作られた制度は何か。WHAT6
「福祉サービス利用援助事業(地域福祉権利擁護事業)」は,利用者が福祉サービス事業者と契約することを援助するための制度である。
10.利用者が使っているサービスに不満がある場合,利用するサービスは何か。WHAT7
「苦情解決」は,利用者が使っているサービスに不満がある場合に利用する制度である。
社会福祉基礎構造改革