ひとり親家庭の福祉施策
(1) 母子家庭の福祉に関する相談に応じ,助言指導を行っている母子家庭相談員は,市町村に置かれる職員で,福祉事務所を拠点にして活動している。
(2) 児童扶養手当は,離婚や未婚等による母子家庭を対象に支給される。ただし受給資格者の所得が政令で定める額以上であるときは支給が制限される。
(3) 母子生活支援施設,母子福祉センター及び母子休養ホームは,いずれも母子及び寡婦福祉法に基づく母子福祉施設である。
(4) 父子家庭に対しては,介護人派遣事業や児童訪問援助事業(ホームフレンド派遣)等,都道府県が実施主体となって行う事業がある。
(5) 父子世帯は、平成10年度には163,400世帯であり、平成5年度の157,300世帯に比べ、増加している。その伸び率は母子世帯の増加率とほぼ同じである。
(6) 平成14年の母子及び寡婦福祉法の改正により、母子自立支援員の業務は、母子家庭等及び寡婦の相談に応じ、その自立に必要な情報提供及び指導や職業能力の向上、求職活動に関する支援を行うこととされた。
(7) メンタル・フレンド事業は、平成7年度にひとり親家庭の子どもへの施策として創設された。
問い
1.母子自立支援員とは何か?WHAT1
2.資金の貸付制度には何があるか?WHAT2
3.母子家庭に関する施設や事業には何があるか?WHAT3
4.父子家庭に関する施設や事業には何があるか?WHAT4
5.父子世帯数と母子世帯数はどのように推移しているか?HOW1
6.メンタルフレンド事業とは何か?WHAT5
答え
1.母子自立支援員とは何か?WHAT1
□母子及び寡婦福祉法に規定されている。
□主として福祉事務所に配置され、母子家庭及び寡婦の福祉の増進のための相談を担っている。
□以前は母子相談員という名称が用いられていた。
□母子自立支援員は都道府県知事、市長(特別区の区長を含む)、福祉事務所を管理する町村長により委嘱される。
□主な業務は配偶者のない女子で現に児童を扶養しているもの及び寡婦に対し、相談に応じ、その自立に必要な情報提供及び指導を行うこと、また、職業能力の向上及び求職活動に関する支援を行うことである。
□父子家庭に関しては、児童相談室、子育て支援センター等で、児童の養育や家庭問題に関する相談に応じている。
2.資金の貸付制度には何があるか?WHAT2
□1952(昭和27)年に創設された母子福祉資金と、1969(昭和44)年に創設された寡婦福祉資金がある。
□実施主体は都道府県、指定都市、及び中核市であり、20歳未満の児童を扶養している配偶者のない女子及び寡婦を対象としている。
□母子福祉資金の貸付の種類としては修学資金、技能習得資金、修業資金、就職支度資金、医療介護資金、住宅資金、修学支度資金、特別児童扶養資金、事業開始資金、事業継続資金、生活資金、転宅資金、結婚資金の13種類がある。
□寡婦福祉資金は母子福祉資金の中の特例児童扶養資金を除く12種類がある。
3.母子家庭に関する施設や事業には何があるか?WHAT3
□施設としては、母子福祉センターと母子休養ホーム、母子生活支援施設がある。
①母子福祉センターは、無料又は低額な料金で、母子家庭に対して、各種の相談に応ずるとともに、生活指導及び生業の指導を行う等母子家庭のための便宜を総合的に供与することを目的とする施設。
②母子休養ホームは、無料又は低額な料金で、母子家庭に対して、レクリエーションその他休養のための便宜を供与することを目的とする施設。
③母子生活支援施設は、配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子及びその者の監護すべき児童を入所させて、これらの者を保護するとともに、これらの者の自立の促進のためにその生活を支援することを目的とする施設。
・1997(平成9)年の児童福祉法の一部改正により、「児童の促進のための生活の支援」が目的に規定され、名称も「母子寮」から「母子生活支援施設」に改称され、また、子どもが20歳まで在所可能となった。
・入所方法は、2000(平成12)年の児童福祉法の一部改正により、都道府県、市及び福祉事務所を設置する町村による措置から、契約制度に移行された。
□事業としては、母子家庭等日常生活支援事業と寡婦日常生活支援事業がある。
□1975(昭和50)年に実施された母子家庭介護人派遣事業は、2003(平成15)年4月から「母子家庭等日常生活支援事業」及び「寡婦日常生活支援事業」へと改編された。
・母子家庭の母等が修学等の自立促進に必要な事由及び冠婚葬祭や疾病等の社会的事由により一時的に介護、保育等のサービスが必要な場合や父子家庭となって間もなく生活が安定するまでの間介護人を派遣し、必要な介護、保育を行う事業。
・実施主体は都道府県、市町村である。
・提供される介護、保育の内容は、乳幼児の保育、食事の世話、住居の掃除、身の回りの世話、生活必需品等の買い物等である。
4.父子家庭に関する施設や事業には何があるか?WHAT4
□母子家庭等日常生活支援事業と寡婦日常生活支援事業は、2003(平成15)年4月に改編され、父子家庭も対象となった。
□児童訪問援助事業(いわゆるホームフレンド事業)とは、父子家庭等の子どもが気軽に相談できる大学生などを家庭に派遣する事業。
□ひとり親家庭情報交換事業(旧・派遣家庭情報交換事業)とは、父子家庭が定期的に集い情報交換を行うとともに、互いの悩みを打ち明けたり相談し助け合う場を設けている。
□児童訪問援助事業及び、ひとり親家庭情報交換事業の実施主体は都道府県、市町村である。
5.父子世帯数と母子世帯数はどのように推移しているか?HOW1
6.メンタルフレンド事業とは何か?WHAT5
□不安、無気力、かん黙、心身症状等を示し不登校等の状態にある児童生徒(以下「不登校児童生徒」という)に対し、学校と連携を図りつつ教育支援センターの機能を充分に活用し、不登校児童生徒及びその家族に対する総合的な支援活動を行うことにより、不登校児童生徒の自主性、社会性の伸長、登校意欲及び家族機能の回復を図る事業のこと。