児童福祉の理念

(1) 国連国際家族年(1994年)は家族の福利を支援,促進するための施策を助長することを目的とし,これを受けて日本政府は,子育て支援に重点をあてたキャンペーン等を展開した。

(2) いわゆる「子どもの未来21プラン研究会報告書」(厚生省児童家庭局,平成5年)では,基本理念に「権利主体としての子どもの位置づけ」を掲げ,「個別の援助を進めるにあたっては最大限,子ども自身の意見も反映する努力が必要」としている。

(3) 厚生省児童家庭局「たくましい子供・明るい家庭・活力とやさしさに満ちた地域社会をめざす21プラン研究会(略称…子供の未来21プラン研究会)」の報告書(平成5年)で,「権利行使の主体としての子供」という基本理念が明示され子供の権利が強調された。

(4) 国際婦人年(1975年)---「男女共同参画の推進」

(5) 国際児童年(1979年)---「わが子への愛を世界のどの子にも」

(6) 国際障害者年(1981年)--「完全参加と平等」

(7) 国際家族年(1994年)---「家族からはじまる小さなデモクラシー」

 

問い

1.国際婦人年とは何か?WHAT1

2.国際児童年とは何か?WHAT2

3.国際障害者年とは何か?WHAT3

4.国際家族年とは何か?WHAT4

5.子どもの未来21プランとは何か?WHAT5

 

答え

1.国際婦人年とは何か?WHAT1

□1975年に制定された。

□1976年から1985年の10年間を、国際婦人年の「平等・発展・平和」の理念、及び世界行動計画の目標達成のため、「国連婦人の十年」と定めた。

□スローガンは、平等・発展・平和である。

 

2.国際児童年とは何か?WHAT2

□1979年に児童権利宣言の条約化のために定められた。

□スローガンは、すべての子どもに平和で安全な未来である。

 

3.国際障害者年とは何か?WHAT3

□1981に、障害者(あらゆる障害者を含み、身体障害者、精神薄弱者、精神障害者、情緒障害等など)が、社会の中で同じように、また普通に生活することができるように、世界中の人々が共に考え行動することを目的として定められた。

□スローガンは、完全参加と平等である。

 

4.国際家族年とは何か?WHAT4

□1994年に、家族の重要性を強調し、家族問題に対する社会の関心を高めることにより家族の役割や機能などの理解や認識を深め、家族の福利を支援する施策を促進することを目的に定められた。

□スローガンは、家族からはじまる小さなデモクラシーである。

 

5.子どもの未来21プランとは何か?WHAT5

□子ども家庭施策の普遍化・子育てに関する家庭と社会のパートナーシップ・権利主体としての子どもの位置づけ・家庭、地域を基盤とする多様かつ総合的な施策の推進を目的として定められた。それぞれのポイントは以下のとおり。

□子ども家庭施策の普遍化

すべての子どもの健全育成を対象とすると同時に、子どもの生活の基盤である家庭や取りまく地域社会も視野に入れる。

□子育てに関する家庭と社会のパートナーシップ

子育てに関して保護者(家庭)を中心としつつ、それだけではなく社会全体で責任をもち支援する。

□権利主体としての子どもの位置づけ

・個別の援助を進めるにあたっては、最大限子ども自身の意見も反映する努力が必要であり、自己の意見を表明する力の弱い子どもについても、ニーズにそったサービスが提供される体制づくり。

・家庭、地域を基盤とする多様かつ総合的な施策の推進可能な限り子どもが生活する基本的な場である家庭、地域社会において育成される。

・児童家庭施策は、他分野の施策との連携をはかりながらも、地域(市町村)を基盤として、総合的かつ計画的な推進がはかられる。