イギリスにおける公的扶助の沿革

(1)イギリスでは救貧法の長い歴史があったが、国民扶助法の創設によって新たな段階に入った。

(2)ギルバート法により、イギリスでは施設(労役場)外の救助、すなわち居宅保護への道が開かれた。

(3)エリザベス救貧法(1601年)では、劣等処遇の原則が示された。  (4)ブース(Booth,C.)は、ロンドンで第一回目の貧困調査(1886年)を行ったが、マーケット・バスケット方式で最低生活費を科学的に算出し、それを下回るものを「第一次貧困(primary poverty)」と定義した。

(5)ラウントリー(Rowntree, B.)は、ヨーク市の貧困調査を通じて労働者家族がその一生の中で経過する貧困の循環(ライフサイクル)を指摘した。 

(6)新救貧法において、労働能力のある貧民の救済は労役場への収容を原則とし、院外救済を禁止した。

(7)マルサス(Malthus, T.)は、『人口論』(初版)で、人口は幾何級数的に増加するが、食物は算術級数的にしか増加しないとし、人口増加の「自然法則」を根拠に、救貧法に異議を唱えた。 

 

問い

1.救貧法とはどのような法律なのか? WHAT1

2.新救貧法とはどのような法律なのか? WHAT2

3.ギルバート法とはどのような法律なのか? WHAT3

4.ブースはどのような活動をしたのか? WHAT4

5.ラウントリーはどのような活動をしたのか? WHAT5

6.マルサスはどのような理論を述べたのか? WHAT6

 

答え

1.救貧法とはどのような法律なのか? WHAT1

□エリザベス救貧法といい、1601年に制定された。

□労働能力の有無による貧民の区別と 抑圧的管理、その結果としての救済をも目的とした法律。

 

2.新救貧法とはどのような法律なのか? WHAT2

□1834年に救貧法が改正され、新救貧法となった。

□改正のポイントは次のとおり。

 ①行政水準の全国的統一の原則

 ②劣等処遇の原則

 ③労役場(ワークハウス)制度

 

3.ギルバート法とはどのような法律なのか? WHAT3

□1782年に制定された。

□1722年の労役場テスト法の請負制度を禁止し、有能貧民に院外救済(居宅)を認めた。

 

4.ブースはどのような活動をしたのか? WHAT4

□1886年~1902年 労働者階級の貧困の実態と原因を明らかにする調査をロンドンにおいて3回行った。

□「ロンドン民衆の生活と労働」という報告書を作成した。

 

5.ラウントリーはどのような活動をしたのか? WHAT5

□1899年ヨーク市において、貧困調査を行った。

□「貧困-都市生活の研究」を作成した。

□1回目の調査において、マーケット・バスケット方式によって、第1次貧困(総収入が肉体的能率を保持するのに足りない家庭)、第2次貧困(肉体的能率を保持するのに足りる家庭)を明らかにした。

 

6.マルサスはどのような理論を述べたのか? WHAT6

□著作「人口論」において、人口は等比級数的に増加するのに対し食糧は等差級数的にしか増加しないと主張した。