基本的人権について

(1)日本国憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利である。

(2)日本国憲法の人権規定は、すべての人権を網羅的に掲げているので、そこに掲げられていない「新しい人権」なるものは考えることはできない。

(3)日本国憲法が保障する信教の自由のうち、宗教的行為の自由は、公共の安全、公の秩序等の見地からの制約に服するが、信仰の自由は絶対不可侵である。

(4)表現の自由を規定する日本国憲法第21条第1項には、その制約を認める文言がないので、表現の自由に対する制約は認められない。

(5)プライバシーの権利などの新しい人権は、憲法上明文の規定がないので一切認められない。

(6)財産権は、憲法で「侵してはならない」とされているので、いかなる規制も許されない。

(7)選挙権の平等は一人一票であって、各選挙人の投票価値の平等は、憲法の要求するところではない。

 

問い

  1. 基本的人権とは何か?WHAT1

  2. 新しい人権とは何か?WHAT2

  3. 信教の自由とは何か?WHAT3

  4. 表現の自由とは何か?WHAT4

  5. プライバシーの権利とは何か?WHAT5

  6. 財産権とは何か?WHAT6

  7. 選挙権の平等とは何か?WHAT7

 

答え

1.基本的人権とは何か?WHAT1

□日本国憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として現在及び将来の国民に与えられる。

□日本国憲法が国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であり、これらの権利は、過去幾多の試練に堪え、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託された。

 

2.新しい人権とは何か? WHAT2

□新しい人権としては、プライバシーの権利、環境権、知る権利、自己決定権などがある。

 

3.信教の自由とは何か?WAHT3

□信教の自由は、何人に対しても保障する。

□宗教団体は、国から特権を受けることや、政治上の権力を行使することをしてはならない。

□何人も、宗教上の事柄に参加することを強制されない。

□国・機関は、宗教的活動をしてはならない。

□宗教的行為を行う場合は、安全や秩序から制約があるが、信仰自体は自由である。

 

4.表現の自由とは何か?WHAT4

□表現の自由は、無制限という訳ではなく、他者の権利等との衝突を引き起こしやすいという特性から、一定の制約に服さなければならないこともある。

□「検閲は、これをしてはならない」(検閲の禁止)を定める(第21条2項)。

 

5.プライバシーの権利とは何か?WHAT5

□全て国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国勢の上で、最大の尊重を必要とする(第13条)。

 

6.財産権とは何か?WHAT6

□財産権はこれを侵してはならない。

□財産権の内容は公共の福祉に適合するように、法律でこれを定める。

□私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用いることができる。

 

7.選挙権の平等とは何か?WHAT7

□第14条法の下の平等が前提となり、普通選挙では、各人の1票は同じ価値を有する。