記憶

(1) 記憶とは、新しいことを覚える「記銘」、それを一定の期間覚えておく「保持」、覚えた情報を思い出す「想起」という一連の過程をいい、長期記憶、短期記憶などがあるが、「忘却」も記憶の機能の重要な一つである。

(2) 長期記憶は永続性が高いので、痴呆性高齢者で最近あった出来事をよく忘れる人であっても数10年前のことを覚えていることがある。 

(3) 数列に意味を見いだせない場合、新しい電話番号を繰り返し唱えなければ忘れてしまうのは、短期記憶の容量があまり大きくないことから説明できる。

(4) 感覚記憶として大量の視覚・聴覚情報を受け入れるが、大部分の情報は数秒以内に消失してしまう。

(5) 作動(作業)記憶は身体的作業に関する記憶なので、より主体的・能動的に作業を行うことで記憶の保持時間が長くなる。

 

問い

  1. 記憶とは何か?WHAT1

  2. 長期記憶とは何か?WHAT2

  3. 短期記憶とは何か?WHAT3

  4. 感覚記憶とは何か?WHAT4

  5. 作業記憶とは何か?WHAT5

 

答え

1.記憶とは何か? WHAT1

□記憶は保持の長さによって、感覚記憶、短期記憶、長期記憶に分類される。

□記憶とは記銘(ある経験を覚え込む)、保持(それを貯えておく)、そして、再生(必要に応じてそれを想起する)というプロセスがある。

 

2.長期記憶とは何か? WHAT2

□長期に記憶しているもの。短期記憶の中からリハーサルにより符号化がされ、保持されたもの(無限容量)。

□エピソード記憶とは過去に体験した出来事に関する体験的記憶のことであり、長期記憶の一つである。

 

3.短期記憶とは何か? WHAT3

□記憶の容量、保持時間に限界がある。範囲は、7±2程度、保持時間は、15秒~30秒程度とされている。

 

4.感覚記憶とは何か? WHAT4

□感覚系の内部で1秒たらずの短時間生じている記憶であり、容量大。

 

5.作業記憶とは何か? WHAT5

□短期記憶の概念を発展させたもので、会話、読書等の認知機能遂行中の情報処理機能を重視する記憶。